非常用自家発電の負荷試験 川崎市、11施設で実施せず

川崎市の病院や区役所など11の公共施設で消防法が義務付けている非常用自家発電設備の負荷運転試験を実施していなかったことが7日、分かった。7年前の東日本大震災では整備不良で作動しなかった設備も少なくなかったが、正しい点検が周知されていない実態が浮き彫りとなった。

 非常用電源は災害時に外部電源が遮断された際、スプリンクラーや非常用消火栓などに電気を供給する設備。設備が作動しないと、消火設備が動かず火災被害が拡大する恐れもある。

 負荷運転はエンジンをかけて回転数を上げ、発電能力の30%を目安に発電機を回す試験。不特定多数が出入りする延べ床面積千平方メートル以上の建物で非常用電源がある施設には、年1回行い、結果を消防署に報告することが義務付けられている。市内の対象施設は現在610棟あり、市が管理する施設では区役所や市立病院、特別養護老人ホームなど31施設34棟。このうち負荷運転が実施されていない施設は病院1施設、福祉施設9施設、区役所1施設(多摩区役所)の合計11施設あった。

 田中経康消防局長は「具体的な試験方法が十分周知されていないことや点検の趣旨が理解されず、点検範囲から漏れたことが考えられる。今後も負荷運転の必要性を周知していきたい」と徹底する方針を示した。 7日の市議会予算審査特別委員会で無所属の三宅隆介氏(多摩区)の質問に答えた。

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